市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

「評論インタビュー:アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』(2004)」@miyadai


  • 引用
    宮台 あたりさわりのない部分からお話しすると、 「イッセー尾形はえらい」というのが第一印象ですね。 …… この絞り込みは、かなり脚本を読み込まないとできないはずです。 そこが実にえらいなと思いました。

     もちろん当たり前ですが、天皇を演技すれば、 日本本国では政治的観点から批判される可能性が出てきます。 その意味で、非常にリスキーな出演依頼を引き受けているわけです。 そのことだけでもじゅうぶんに尊敬に値するのですが、 そこについてはイッセイ尾形の自信や矜恃を感じ取るべきかもしれません。
    …中略…
    ーー 近年宮台さんはしばしば天皇に関して言及されますね。 端的にいうと「天皇はスゴイ」と評価しておられるわけですが、 どのようなところがすごいとお考えなんでしょう?
    宮台 世代的というより個人的な理由かもしれませんが、 僕は小室直樹先生に当時の今上陛下がどんな帝王学を受け、 欧州留学から何を学び、どんな政治体制の下で何に縛られ、 何にコミットしようとしたのかを、教わってきました。 ソクーロフ自身が語るように、自分が開戦した戦争を自らの決断でやめ、 マッカーサーの所に出かけて自分の首を差し出すというような振舞いは、 他人にはできません。それを小室先生から繰り返し学びました。

  • 7/2/2006:イッセー尾形