市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

雑感。先日来いろいろと文献に当たっているが、 "Journal of Colloid and Interface Science" という雑誌は実は結構すごい。


  • 今現在はどうなのか分からないが、少なくとも80年代は、 今調べている辺りの内容はほとんどこの雑誌に網羅されている。 これまで JFM よりも格下かなというような印象が漠然とあったが、それは多分、 自分の中で pure な -- つまり電気が関わらない neutral な -- 系だけに filter して来たせいだろう。しかし、実は単に明確に住み分けられていただけで、 雑誌の格的には JFM と同じで、その世界のトップなんだと。 多分、分野の専門誌という意味では、ほとんど唯一だから、これも必然なのかもしれないが。

  • 「過去の賢人、侮りがたし」と当たり前のことを日々思っている。 最近の論文で「ガツン」と来るのは(こちらの感受性の問題も多分にあるんだけど cf. 6/7/2007) なかなか無い(けど、時々はある)。 これは、論文の粗製濫造ゆえの S/N 比の低下なのか、やっぱり人類の知的能力の低下なのか (「人類の知的能力」と「計算機の能力」は、もちろん別物)。

  • 付記:一つだけ、この雑誌(および同じことをしているもの)に文句を言いたいのは、 式番号を [1] とかぎ括弧(と言うの?英語では、 wikipedia 様によると、 square or box brackets)で囲んで、文献番号を (2) と書くところ (こっちは英語では parentheses)。 習慣というか文化というか、そういうものだと思うけど (それ故に、無下に「こうしろ」とは言えないものがあるのだけど)、 全く逆の世界に慣れた目には、この違いはかなりイライラする。

  • 3/19/2008: 学術論文に対する個人的な懐古趣味。

  • 3/28/2008: UofA から JCIS が全部読める!