市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

学問ネタで何か本を書くプロジェクト


  • 私の2011年の resolution の1つ。 (cf. 1/3/2011)

  • 改めて、能書き (ichiki_k/status/21574858718580736):
    マスとしてのPDとか(就職難の新卒大学生とか、先行きの怪しい大学教員とか)
    やっぱり、ぼくには、ピンと来ない。

    そうじゃなくて、数は少ないけど、個として自立してて、 やる気があって、がんばっている人を、
    空間も時間も越えて、 助けになることがあるならばしたい、

    という気がしてきた2011年。

    • 蛇足を承知で、自己解説。

    • 私が(ある意味)孤独に研究していた粘性流体の話を、 学問的にも工学的にも大事だと思って、みんなのためになると思って、 結構魂を込めて書いたレビュー記事
      Microhydrodynamics of colloidal suspensions -- Stokesian Dynamics: The Next Generation --
      だけど、当時の私の感覚では、完全に無視されたという状況だった。

    • しかし今振り返ると(ありゃりゃ、10年前の出来事になってしまうんだな)、 それでも少なからず(a few ってところだけど)何かしら与えられたモノは あったのかも知れないな、と思うことはあった。

      • 例えば、5年前の(従って、執筆後5年後の)感慨は 6/8/2006 にある。

      • ちなみに、原稿を書き上げたときの日記は 4/18/2001

    • このブログのあちこちに書いている通り、 私は手が遅い研究者であることを自覚しているから (まるで bill evans のように)、 簡単に色あせるようなことはしないように気をつけてきたし、 その意味で、すぐに誰か(と言っているのは、主に若い人のことを念頭に置いている、 つまり今、例えば大学院に上がったくらいの学生さん)の役に立たなくても、 10年後(というのは、原稿を書いてから10年経過した今なら、 結構リアルに想像できるタイムスケールだけど)の若い人たち (それが、いわゆる大学の学生なのか、大学ってモノが機能しなくなっているのか、 知らないけれど)の役に立つかもしれない。 まず、そういう意味での「時間」を越えて、ということ。

    • 基本、英語で書きたいなと思っている。これは
      broken english is our native language
      と(正確な文言ではないが、意味的に)言った、オランダの leen van wijngaarden の精神を持って、国境のない科学者全体に向けて、という意味で、 「空間」を越えて、という意味。

    • まあ、改めて、偉そうに、言うことでもない、ごく当たり前のことだと思うけど。

  • その1、私が物性研究に(日本語で)書いたレビュー 「Microhydrodynamics of colloidal suspensions -- Stokesian Dynamics: The Next Generation --」 の英語版を書く。

    • 3/31/2008: 「microhydrodynamics の英語版はないのか」という問い合わせ。

  • その2、古典的な論文をじっくり腰を据えて解説する「読み物」的なもの。

    • とりあえず、パッと思いつく、あえて取り上げておきたいと思う論文は:

      • A. Einstein の、有効粘性率の論文。

      • Beenakker の2ページの簡潔な Ewald summation の論文。

        • Hasimoto の古典的な仕事についても。

      • Saffman の、沈殿速度の濃度依存性に関する簡潔な議論の論文。

      • 今井功の、 Stokes 近似と Oseen 近似の統一的な formulation (彼の教科書から)を、英語で。

    • これらも、結局は上のレビュー記事を書いたときに、 大事だなぁと思ったりしたものが、ほとんどだな。

  • 学術論文の(古いものの)著作権について、 特にその再利用などについての取り扱いはどうなっているのだろう?

  • と、今週末の weekend scientist プロジェクトは、ほとんど時間切れで、 能書きだけダラダラと書いて終わり、か。まあ何事も一歩一歩だ。

    • でも、昨日(2/12/2011) 「ぼくが影響を受けた5人から、二人目」で、あらためて bill evans のビデオを 見たことは、良い意味で refresh というか revived というか、 刺激を受けたと思う。故に、今日、こういうことに時間を割いたような気がする。

  • 1/1/2012: 2012年の計 - 本は一般的なもので仕切り直し、研究は研究で何かやるぞ。