市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

学会二日目。


  • やっぱり通勤は辛い。

  • 午前、前半 - 23aZB 領域11:力学系


    • 「一次元重力リングモデルにおける相転移現象の考察」 お茶大理,早稲田理工A 井口修,曽田康秀,立川崇之 A


      • ここから参加。 Levy が見えている所での vdf 自身も Gaussian からは、実はずれているらしい。 (N体の時は曽田さんは Gaussian とか言ってたけど…)

    • 「調和振動3体問題におけるフラクタル:重力3体問題との比較」 通総研,早大理工A 梅原広明,相澤洋二 A


      • 面白そうな話だったけど、ポイントを忘れた…

    • 「多重振り子の数値シミュレーションIII」 北大電子研 斉藤尚史,柳田達雄


      • 普通の運動エネルギーは等分配していないが、 Hamlitonian から定義されるある種のエネルギーを見ると、 等分配性は比較的満たされているらしい。 その「ある種のエネルギー」の意味は(今の所)不明らしい。 連続極限を考えて、 普通の自由端の紐を振った時にも、紐の各領域で「等分配」が成立しているのか、 と思うと、何か不思議だ。

  • 午前、後半 - 23aZA 領域11:確率過程,確率モデル(パーコレーションを含む),パターン形成


    • 「連続パーコレーションモデルにおける多分散性の効果」 東大工 渡辺宙志


      • 面白かった。 ソフトパーコレーション(つまり粒子の重なりを認める)では、 臨界指数だけでなく、スケール関数も不変性を持つ事を示す。 本質は、percolation distrib が x(r) = A exp (-r/xi) を持つ、 と言う事に尽きて、その時鞍点法を使い、連続極限をとると erf タイプのスケール関数が導かれ、よく合うという話。

    • 「積み木遊びにおけるスケーリング則と普遍性」 信大理 岩崎真也,本田勝也


      • 面白そう。 時間を入れない時の挙動は、random walk なので、n=L^2 は自明。 時間を入れる時(上積み、下積み)でも残る理由は、議論が必要? (と香取さんは考えているようだ。)

  • 午後、前半 - 23pZB 領域11:生物・生体系,その他の力学系


    • 「多次元尺度構成法による植物多様度解析」 中大理工,イリノイ大物理A 田口善弘,大野克嗣 A


      • 「多次元尺度構成法」とは、 要素間の関係を距離だけで特徴付け、ある空間に埋め込むという方法らしい。 例えば世界中の都市の相互の距離をデータとして埋め込みを行うと、 球面上に再構成出来る(はず)。 田口さんの今回の話は、関係を距離ではなくその大小の順序のみにまで落して、 それを埋め込むスキームを作り、それを植物の分類に適用して見た、と言う話。

    • 「樹齢に依存する森林火災モデルのSOC II」 中大理工 高松寿郎,香取眞理


      • BTW と木のモデルを、3-phase dynamics として統一的に見て、 そこに dynamics を入れ、 master eq を解いて、 応答関数χが発散する所を SOC として、 f->0, e->0, f/e->0 の極限と SOC 極限が一致していると言う話。 ここで、f:time scale of avalanche, e:dissipation rate. そりゃSOCなの、という当然の疑問を金子さんが呈する。同感。 香取さんは、しかし、何か見えているようだが、分からず。

    • 「熱平衡相関等式を用いた森林林冠ギャップ分布の解析」 中大理工 高松寿郎,香取眞理


      • 「林冠ギャップ」ってのは、結局木の高さをある閾値を使って二値化した時の 何だ?何かだ。 こいつを ising model で近似出来ない?と言う話かな。 それで、熱力学的関係を使って解析して、その結果と、spin 系の結果が 似ているので、「林冠ギャップの ising model」が正当化される、という文脈? (違う気がする。) その時の、当然生じる疑問として、熱平衡で書けているのに何で巾? には、ちょうど臨界点近傍だから、というシナリオ。 何か面白そうだが、良く分からない。

    • 「細胞性粘菌ミニ移動体の運動解析」 東北大情報,東北大通A 土屋薫,澤井哲,沢田康次 A


      • 粘菌の移動体の速度の話で、奴らを切り刻んで「ミニ」移動体を解析した、 という話(らしい)。 粘菌の長さとその速度の相関(比例関係)は、面白そうだ。 と言っていたら、さっき(3/27)研究室訪問とかで来たので、色々質問した。 長いと早いってのは、やっぱり不思議かも。

  • 午後、後半 - 23pZA 領域11:量子力学系,その他の系


    • 「多角形ビリヤードの等スペクトル問題」 都立大理 岡田雄一郎,首藤啓


      • これは面白かった。 ビリヤード問題のKacの逆問題。 何のパラメータか忘れたけど n=7 だけが特別で、他の所には解がない(なさそう)と言う点に、 「もう一息」を感じる。

    • 「近似的な弱値としての複素古典軌道」 筑波大物理 田中篤司


      • weak value とは、別な時間の波動関数で挟んだ量で、それが観測可能である らしい。それで、量子効果を無理矢理古典軌道に対応させようとするとき、 この weak value として観測可能なのだ、という話(と思った。)

    • ここで中座

  • 23pZB 領域11:生物・生体系,その他の力学系


    • 途中から

    • 「貝殻はなぜ強いのか?」 College de France (分子研) 奥村剛,Pierre-Gilles de Gennes


      • ポイントは、多層に成っている為に、毎回硬い層をゼロから割らないと 行けないので大変、というおちで良いのかな? 田口さんは軟らかくて薄い層がゼロの極限についてしきりに拘っていて、 講演後中西さんと議論していた。 私見、95:5 って比率、5% ってものと、軟らかい層の「軟らかい層」として 成立し得る限界(明らかにその分子スケールより小さいとダメでしょう)が どうなのか、と言う点。 あと、ベターッと継った(連続的な)系と、 薄い層のゼロ極限は、そもそも一致しないと思う。 薄い層のセロ極限は割る方向に垂直なクラックが無数に入った系であろう。 そいつも、もとのモノ系よりも硬くなっているのだろうか? それこそがここで問うべき問題であろう。