市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

andrea と議論


  • 6/10 過ぎからまたオランダに行く(講義のために)という話から、 その時院生が卒業すると聞く

  • その流れで、 detlef 研の最初の学位取得者でもある、 先日卒業した(大変能力のある実験家である)院生が、 今母国で高校の先生をやっていると聞き、 何か、考えてしまう

    • dallas (11/24/2002) では「人にプレッシャーを掛けられずに、ゆっくりと考えたい」 と言っていたが、そういう意味だったのか

    • US (ってのは、ここ(JHU)なのかな?), Cambridge, Paris から引っ張りだこだったとのこと (postdocの話)

    • 彼は、人を見る優しい目を持っている (こういうの、自分には無いんだよなぁ) ので、きっとよい先生になるだろう (とは確信するが…)

    • 振り返って、 自分には、売りになるものが、何だかんだ言ってやっぱりこれまで 研究してきた経験しかない訳で

    • どっか良いところ無いかなぁ、 下らん早いもの競争しなくてもすむ場所

      • 5/30/2003

      • もちろん、きちんとした成果 (1 年待ったら他の誰かがやってしまうような仕事ではない) は出せると考えている

        • だから、まだ postdoc やってる訳なんだが

        • ってのは前 (3/4/2002) に言っている事と同じだ

      • でも良いもの作るには時間が掛かる。 これは当り前のことなんだ

        • 付記: 6/18/2004: 時熟

        • これは、 猪瀬直樹の「僕の青春放浪」 (は、確か LA で買ったんだよな、確信はないが cf.11/16/2001) の「よい仕事にはコストがかかる」の焼き直し、かな

          • あと 以下のフレーズも頭に残っている
            作家として継続的な生産活動をしていくためには、 再生産を前提として仕事をしていかなければならない。

        • 似たようなことを 「猪瀬直樹をよいしょする座談会」みたいな奴 (6/28/2002の第3回) でも、彼は言っている
          20年くらい前、まだ駆け出しの頃、僕はこんな安い原稿料じゃ いいものできないってみんなに言ったんだよ。 若手が10人ぐらい集まって、「倍ぐらいじゃなきゃ合わねえよな」って。 「俺たち有名じゃないから、有名なひと呼んで言わせよう」って僕が言って、 何人かに声かけたんだよ。そしたら来てくれたのが田原総一朗本田靖春。 でも彼らも「安い」って言うの。 あ、こんなに偉くなっても安いのかと思って、 「見通し暗いなぁ」と思ったんだ(笑)。 それから僕は、『週刊ポスト』の連載を始める。 つまりカネ払ってくれるとこでしかやらないよっていう、 カネ払わないなら個別交渉して高いところにやるよということ。 …

    • 今の、数が大事って流れは、成果を切り売りするっていうよりももっと悪くて、 全てを spoil している (していく) 道だと思うのだが

      • references:

      • ここアメリカが、こういう流れの最先端である訳だが…

      • これも前 (3/4/2002) 書いた「書くや書かざるや」って事と同じだな

      • 5/31/2003 付記: 数じゃなくて中身が大事だからこそ、 あと専門が変わると自身で評価出来ないからこそ、 人事公募時に照会可能者を書かせていると思っているが、 実際に(その意味で)照会したりしているんだろうか… (cf. 4/11/2004)

      • 時間と成果には scaling は成り立たない、というのが趣旨

        • 別に新奇なことじゃなく、本当に当り前のことだけど

        • 良いものを 1 つ作るのに 1 年まるまる掛かります、とする

        • じゃあ普通のものを 1 年で 2 つ (5 つ (10 個)) 作れ、 と言う(誰かに言われる、あるいは自分でそう思って頑張る)

        • 1 年で 2 つ (5 つ (10 個)) 作ろうとすると、 しかし結局、価値が 0 のモノしか作れません、ってことだと思う

      • このまともな成果とダメな成果の threshold は人それぞれだろう

        • そこが本当の意味の能力なんだろう

        • この点で自分が他の優れた人達よりも秀でているとは、全く思えないし、 思っていない

        • しかし、目の前の人参を追っかけている (追っかけさせられている) 本来能力のある人より、 機能しているとは思っている

        • ってことは、advantage は開きなおりのみか…

          • 本当は、そうとも思っていないんだけれど

          • 刃物も研がなければ当然鈍るし、 一旦落ちた体力はなかなか戻らないものだし

            • 最近、腕立て伏せをはじめたが、右手首がおかしい

            • 研究者は体が資本

  • もう一人既に学位を取った院生が居て、 彼女は今ユトレヒトで技官か postdoc かそんな感じのことをしているらしい

  • 今回学位を取る院生は、 何があろうとも母国に戻ることが最優先なんだそうな

    • なるほど、という感じ

  • 私のなつかしいと思う international な detlef 研は、 無くなって行くのかなぁ

    • やっぱり、段々と、オランダ人の学生が増えて来ているそうだ

    • まぁ、それはそうだろうし、それ自体悪いことではない

    • 悔やんでいるのは単なるノスタルジーだと分かっているが

  • ってのは雑談で、 main は論文を書きましょうってこと

    • 基本的に切り売り、現状の結果で書けるところを書いてしまえってこと

      • 院生にやらせている計算で一本、 sedimentation で一本、 anti-symmetric vector で一本

        • この他に、私個人が書きたいネタ (で、既に骨格は出来ているもの) が 2 本

        • てのも言い続けて一年になるか(まだそんなにはならないか)

      • "to write, or not to write" と言っている人間の言うことではないな…

        • しかし、1 年以上 (兵隊論文を) 書かなかった訳だから、 別に矛盾していない

        • 悪い postdoc だ

      • この切り売り、 気分的には前の method-of-reflection 論文 (個人的に一番気に入っている論文) と同じで、 小さい地味な論文を書こうってこと

        • andrea は、ちょっと派手好きなようなので、最終的にどんな形になるか ちょっと分からないけど